【授業のひとコマ】総合文化学科「先端的京都体験」
京都は「古都」というイメージがありますが、平安時代から続く「古都」と明治以降の近代化の両輪で形づくられてきた都市と言えます。この視点から講義では現代における京都を考え、先端的京都の意義をフィールドワークを通して考えます。
そのために事前発表として探訪先の史跡に関する予備知識をグループで発表し、次いで実地調査を行い、予備知識と実地調査の差異はどうであったのかを確認。新たに明らかになったことなどを事後学習で話し合い、最後に報告する、といった実践的な課題に取り組んでいます。
今回、授業の一環として感染対策を徹底した上で京都疎水を見学しました。
京都疎水は、京都の近代化に大いに貢献しました。特に電力事業は、日本で初めての市電を実現させ、そのほか工業の電力化、水道水の共有を可能にしました。しかし一方で上水道を優先した結果、下水道が遅れ、京都の地下水にも影響を与えるなどマイナスの側面もみられました。
以下、フィールドワークに参加した学生の感想を紹介します。
蹴上船溜と南禅寺船溜は同じ船溜でも見た目や使い方が全く違うことが分かりました。 蹴上船溜と南禅寺船溜以外にも夷川船溜などもあるので、他の船溜も見に行ってみたいなと思いました。
疏水については、事前に自分で調べて実際に見に行くことで新しい発見もできたので良かったです。 蹴上インクラインや南禅寺水路閣には行ったことがありましたが、勉強してから行くことで、見え方が異なりました。また、南禅寺船溜の近くにドラム工場があるということは知らなかったので実際に行って、見ることで知り得る情報も多いと感じました。
(総合文化学科1回生 吉本)
もともと他の授業で琵琶湖疎水は日本人だけで行った事業であること等は教わっていましたが、実際に琵琶湖疎水を歩いてみて、この膨大な事業を今のような技術力が無い中で作り上げた当時の関係者の方々に深く尊敬します。また、インクラインや記念館を練り歩いて後世に伝えていくべき大業なのではと認識を改めることができました。
インクラインでは実際に使われていた線路の上を歩くという貴重な体験もでき、その後、長い水路を辿ることができたのも印象に残っています。この授業がなければ一生散策することはなかったかもしれません。この学びを機に自ら文化への理解を深めるために行動する、ということを惜しまずにやっていきたいと思います。
(総合文化学科1回生 大田)
インクラインを歩く
水路閣にて